ニュージーランドは世界でもっとも新しいワイン産地のうちの一つです。
ワインが造られ始めたのは1819年ですが、発展し始めたのはわずか50年ほど前。
ヨーロッパのように代々受け継がれているようなワイナリーはまだ少なく、ほとんどが初代や2代目の新しいワイナリーばかりです。
しかし歴史あるヨーロッパのワインに追いつき追い越すべく、技術を磨く生産者ばかりで、年々高品質なワインが生み出されています。
ニュージーランドのワイン生産量は全世界の約1%とまだかなり少ないですが、いまや世界各地のワインラヴァーを魅了するワイン産地です。
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ニュージーランドは北島と南島に分かれる島国です。
南半球に位置するので、太陽が登る方角や、四季もすべて日本とは逆で、ワインの醸造はだいたい2月頃から始まります。
全体的に冷涼なニュージーランドですが、北島と南島を比べると北島のほうが温暖です。
1日の中に四季があると言われるほど寒暖差が激しい国で、真夏でも朝晩は長袖が必要なくらい気温が下がるのですが、これがブドウ栽培にとって最高の条件となっています。
日中に光合成をして養分を蓄えたブドウは、夜の冷え込みのおかげで生育がとまります。
そのおかげで酸を保持したまま、しっかりと成熟したブドウを収穫することができるのです。
ニュージーランドで1番大きな産地は南島の1番北に位置するマールボロで、日本で見かけるニュージーランドのワインのほとんどがこのマールボロ産です。
ここだけでニュージーランドワインの7割を生産しています。ソーヴィニヨンブランの主要産地でもあります。
首都ウエリントンがある北島にはノースランド、オークランド、ギズボーン、ホークス・ベイ、ワイララパと5つのワイン産地があります。
前述したマールボロがある南島は、他にネルソン、ワイパラ/カンタベリー、セントラル・オタゴとマールボロを含む4つのワイン産地があります。
今回はその中の南島にあるワイパラ カンタベリー地方にある2つのワイナリーのデザートワインをご紹介します。
この地方には国内最大のカンタベリー平野が広がります。
農業や牧畜が盛んな一方で、南島の商業の中心地でもあります。
クライストチャーチがあるのもこのエリアです。
ここはニュージーランドでもっとも新しい産地でワイナリーの数がかなり少なく、生産量もまだ2.1%(2019年)とごくわずか。
ブドウ栽培には寒すぎると言われ続けていた場所ですが、乾燥していて十分な日照量があるため、近年では高品質のワインが生み出されています。
カンタベリーとノース・カンタベリーと2つの産地に分けられ、さらにノース・カンタベリーの中にワイパラという産地があります。
このワイパラは降雨量が少なく穏やかで、南風が吹き込みます。西側平地と河口付近は砂利質、東側平地と丘陵地は石灰岩粘土質、谷間南側が沖積層砂利質粘土と、エリアにより異なる土壌を持ち、カンタベリーの主要なワイン産地として注目度の高いエリアです。
2009年に日本人醸造家の小山 竜宇氏が立ち上げたワイナリーです。
モノ作りがしたい、ワインが造りたいと単身ニュージーランドに渡った小山氏。
クライストチャーチにあるリンカーン大学でブドウ栽培とワイン醸造の学士過程を卒業し、ワイパラヴァレーのマウントフォードのアシスタントワインメーカーを経てワイナリーを立ち上げました。
土地と自身のスタイルを表現することに信念を置く造り手です。
ワインのラベルには自身の名前「竜宇」からとった竜がモチーフとして採用されています。
🍷コヤマ ノーブル リースリング 2018
Koyama Noble Riesling 2018:¥4840- Tax incl.
とろっとしており、美しいゴールドの外観。
ジャスミンのようなフローラルさが最初にふわっと香ります。
口に含むとレモンの蜂蜜漬けに白桃のコンポート、ドライアプリコットの甘やかさがいっぱいに広がります。
マンダリンオレンジのような甘酸っぱいニュアンスも感じます。
リースリングならではの美しい酸がワインを引き締めてくれ、とても透明感のある美しい仕上がりです。
ペガサス・ベイは神経医学者、ワインライター、ワイン審査員の3つの顔を持つアイヴァン・ドナルドソン氏が、奥様のクリスティーン氏と立ち上げたワイナリーです。
1985年にワイパラに畑を購入、初リリースは1991年です。1992年からは長男がチーフワインメーカーにつき、その後次男、三男、四男もビジネスに参入、家族経営のブティックワイナリーです。
暖炉があったり、NZ芸術家の作品が飾られていたりと暖かな雰囲気をもつワイナリー。
併設されたレストランは「Cuisine Magagine」(ニュージーランドのワインと食の雑誌)で過去5年連続、NZ 国内最高のワイナリー・レストランに輝いたことでも知られています。
ワイングローワーズが提唱する「サスティナブル・ヴィティカルチャー・プログラム」のメンバーのペガサス・ベイは、ブドウの樹の害虫や病気には、薬剤の使用ではなく自然環境に適用したアプローチで栽培を行います。
畑に多くのスタッフを雇用、除梢、摘房、除葉、選果などをすべて手作業にて行い、クオリティの高いブドウ栽培管理を実現しています。
🍷ペガサス ベイ アンコール ノーブル リースリング 2016
Pegasus Bay Encore Noble Riesling 2016:¥5390 Tax incl.
深みのあるゴールドの外観です。
マンダリンオレンジにメロンやマンゴー、ライチなどのフルーツが押し寄せたあと、蜂蜜の甘さが広がります。
オイリーなテクスチャ―、どっしりと重厚感のある甘みと、リースリングの酸味が絶妙なデザートワインです。
🍷ペガサス ベイ フィナーレ 貴腐セミヨン ソーヴィニヨン ブラン 2016
Pegasus Bay Finale Noble Semillon Sauvignon 2016:¥5830 Tax in
とろみのあるオレンジがかったゴールドの外観はグラスに注ぐだけで濃厚な香りが広がります。
アプリコットや熟した黄桃のフルーツの甘さにジンジャーにレモンカードの苦味のある甘みも感じます。
ほのかに香るイーストに、蜂蜜漬けのカシューナッツやマカダミアナッツなどオイリーなナッツが混ざりあいます。
余韻がとても長いデザートワインです。
まずは、貴腐ワインに漬け込んだチョコレート「レザンドレ オ ソーテルヌ貴腐」。
これが抜群に幸せを運んできてくれるんです。
使われているのは三大貴腐ワインの生産地のうちの一つ、フランス ソーテルヌ。
そのソーテルヌ産貴腐ワインに漬け込んだレーズンを、カカオ70%のチョコレートでコーティングしています。
1粒に幸せが詰まっています。このチョコレートだけでも素晴らしくおいしいのですが、貴腐ワインと合わせると、思わず目を閉じてうっとりしてしまいます。
あまた、ニュージーランドの極甘口ワイン、特に貴腐ワインにはリコッタチーズをおすすめします!
蜂蜜やナッツのニュアンスが強いペガサスベイのフィナーレ 貴腐セミヨン ソーヴィニヨン ブランに、ふわふわのリコッタチーズが良く合います。
チーズを口に含み、まだ少しのこった状態でワインを一口飲んでみてください。
やわらかくてふわっふわなチーズととろみのあるワインが絶妙にマッチします。
こちらのブログでも、甘いデザートワインにあうおつまみ&スイーツをご紹介しています!
いかがでしたでしょうか?
世界中が注目するワイン産地、ニュージーランド。
ぜひ、お試しください!
Tsubura Shingu 新宮瞳
Shimokitazawa Wine Shop 下北沢ワインショップ
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