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デザートワインの定義は実は明確には決まっておらず、甘口ワインのことを指します。
ただし、それではあまりにも広すぎるので、「砂糖を使わずにつくる極甘口のワイン」を当店の定義としています。
このデザートワインの造り方として、ブドウに貴腐菌をつける方法、ブドウを乾燥させる方法、ブドウを凍らせる方法があります。
貴腐菌をつけるものが貴腐ワイン、乾燥させるものが遅摘みやパッシート、凍らせるものをアイスワインと呼びます。
※パッシートはイタリア限定の呼び方
貴腐菌はブドウの皮に穴を開けてくれ、そこから水分が蒸発していき酸と風味、糖分が凝縮します。
また、菌の効果でブドウに独特の風味が生まれます。
この貴腐の影響を受けたブドウで造られるワインは、貴腐ワインと呼ばれこのワインでしか味わえない風味と極上の甘さのワインとなるのです。
乾燥させると風味や糖度が凝縮します。
一般的に売られているドライフルーツを思い浮かべていただくと、すっごく甘いのが想像できるかと思います。
それをブドウで行いワインにすることで、しっかりとした甘口のワインにしあがります。
凍らせるのは、部活動のときに飲んだ清涼飲料水を思い出してみてください。
冷たいのを飲みたいと家から凍らせて持って行き、少し溶けたのをいざ飲んでみたら、びっくりするほど甘かった経験はありませんか?ブドウでも同じ現象が起こります。ブドウの一番甘いところだけを溶かしてワインにするのです。
少しだけデザートワインについて知っていただけたかと思いますので、次は選び方についてです。
初心者の方にはワインを選ぶのって少しハードルが高いですよね。
なんか英語いっぱい書いてあるし、なんなら英語じゃないものもあるし、金額もピンきりだし、、、。
でも大丈夫です!
デザートワインを選ぶときに読む英単語はずばり「Late harvest」レイトハーベストや「Noble rot」ノーブルロット。
この他にもあるのですが、まずはこれを覚えましょう。
Late harvest は遅摘みを意味します。
樹上で干しブドウにして造るデザートワインです。
Noble rot は貴腐ワインを意味します。
貴腐菌を呼ばれる良いカビを付けて造るデザートワインです。
そのほかイタリアのデザートワインに多いのは「Passito」、陰干しを利用したワインのことです。
「Eiswein」はアイスヴァインと読み、ドイツで凍らせたブドウから造られるものです。
英語表記は「Icewine」となります。
デザートワインは手間も時間もお金も通常のワインよりも掛かるので、どうしても金額が高くなりがちです。
特に有名な銘柄は1本1万円超えのものも多く、なかなか日常で飲むのは難しいという印象を持っている方も多いと思います。
それでも中には、リーズナブルなのに高品質でとっても美味しいデザートワインもあるんです。
中には、小売価格が¥1,000~2,000というもも存在しますが、最初は¥3000前後のご予算で、専門店や詳しい方に相談して購入するのがオススメです。
あまりに低価格なデザートワインには、そもそもの糖度が足りなかったり、酸度が低くて甘ったるいだけのものも存在します。
数は多くありませんが、市場価格が¥3000前後くらいからは、丁寧な造りをしているデザートワインが出てきます。
(もちろんこれに当てはまらないものも沢山あります。)
下北沢ワインショップでは、100種類を超えるデザートワインを常備、専門のスタッフたちが、ご予算に応じてご提案をしております。
それでは、実際にデザートワインをご購入いただく際の参考として、当店在庫の中からおすすめの銘柄を10本ご紹介します!
*価格は全て税込です。
*2022/12/5現在のご案内です、在庫や価格は変動することがございます。
🍷ダーレンベルグ/貴腐・マッド・パイ ¥2,860-
オーストラリアでヴィオニエを主体として造られる貴腐ワインです。桃のコンポートや濃く淹れた紅茶のニュアンスがあります。
マッドパイとは泥をパイに仕立てる子供の遊びのことを示し、マッドパイを作るときのワクワクする気持ちが込められています。
🍷カヴァルキーナ/パッシート・ビアンコ・ヴェネト ¥2,420-
こちらもイタリアのパッシートです。ガルガーネガをいうブドウが主体です。ブドウの水分を40%乾燥させてから造られます。アーモンドやビスケットのような香りが口に広がります。
🍷ディ・レナルド/パス・ザ・クッキーズ ¥3,630-
イタリアのパッシートです。ヴェルドゥッツォ・フリウラーノというイタリアのブドウを主体に造られています。
なんと5年ぶりの日本入荷です。綿菓子やハチミツのニュアンスがあり、甘味はしっかりしているもののくどくなくスルスル飲めてしまう1本です。
🍷ルドルフ・ファウス/ウーデンハイマー・ゾンネンベルク・リースリング・アイスヴァイン ¥4,180-
ドイツの凍らせて造るワインです。温暖化の影響で造るのが非常に難しくなってきたアイスヴァインですが、このワインを造るときにも影響が見られ、これまでのファウスの歴史上最も遅い収穫となったそうです。トロピカルフルーツやマスカットのような果実の甘さが楽しめます。
🍷レ・マンザーネ/マルツェミーノ・パッシート ¥4,730
イタリアの赤のパッシートです。マルツェミーノというイタリアの土着品種を使用。このブドウはモーツァルトが愛したとして有名です。なんと自らの歌劇「ドン・ジョバンニ」でも「ワインを注げ!最高のマルツェミーノを!」と歌われています。そのブドウから造られる甘口はブラックベリーなどの果実かんに混ざりタバコのようなニュアンスも見える、かなりしっかりとした味わいです。
🍷コヤマ・ワインズ/コヤマ・ノーブル・リースリング ¥4,840-
ニュージーランドで日本人醸造家が造る貴腐ワインです。
現行の2018年はニュージーランドのグレートヴィンテージです。貴腐ワインにとってとても大切な天候が完全に揃い、ものすごくキレイに貴腐菌が付きました。そのブドウから造られた貴腐ワインはものすごく透明感にあふれています。ジャスミンなどの花のアロマに貴腐菌由来のハチミツを感じられます。
🍷テヌータ・ディ・アルティミーノ/ヴィンサント・デル・キャンティ ¥3,520-
イタリアはトスカーナで造られる陰干しタイプです。ヴィンサントとは「聖なるワイン」と呼ばれ、最低3年の熟成が必要など、パッシートに比べて決まりごとが多く、価格も高いものがほとんどです。そんな中、レーズンやアーモンドにオレンジピールなど、ヴィンサントの特徴がしっかりとありながらも3000円台で飲める貴重な1本です
🍷ペッレグリーノ/ネス・パッシート・ディ・パンテッレリア・ナトゥラーレ ¥5,280-
イタリアはパンテッレリアというシチリアとアフリカ大陸の間にある火山島で造られたパッシートです。
イタリア全域で造られるパッシートですが、1番有名な産地として挙げられるのがこのパンテッレリアです。
ズィヴィッボというここに古くからあるマスカット系品種から造られ、アプリコットやドライイチジク、オレンジのはちみつ漬けのような香りが広がります。
🍷フリードリッヒ・ベッカー/ベーレンアウスレーゼ・リースリング&ショイレーベ ¥6,380-
ドイツの貴腐ワインです。樹齢60年以上の古樹から収穫されたブドウから造られます。
樹齢が高くなればなるほど一本の樹に生るブドウの数は減りますが、その分一つ一つのブドウのクオリティは高くなります。
上品なリースリングの甘さとショイレーベの強いアロマが絶妙に合わさった1本です。
🍷ペガサス・ベイ/フィナーレ・貴腐セミヨン・ソーヴィニヨン・ブラン ¥5,830-
ニュージーランドの貴腐ワイン。
使われているブドウはどちらもフランスの最高級デザートワインに使用される、貴腐菌と相性の良い品種です。
木樽で発酵と熟成をさせたこのワインは完熟したアプリコットや生姜のアロマがあり、とても長い余韻がずっと口の中に広がります。
デザートワインの良いところは抜栓したあと1ヶ月 以上美味しいことです。
また、通常のワインよりも保管状態に神経質にならなくてもよいのもポイントです。
もちろん真夏のエアコンが効いていない30度超えの室内はオススメしませんが、20度くらいの温度であればものすごく問題になることはないでしょう。
よく冷蔵庫のドアポケットで保管しているというお声をいただきますが、温度が安定しないのと開け締めによる振動があまりワインにはよくありません。
常温が気になる方は野菜室がオススメです。
温度も冷蔵庫ほど低くなく、また開閉も冷蔵庫よりも少ないためです。
ですが、最初はあまり難しいことを考えずとりあえず買ってみて飲んで見ることが最大のポイントです!
Tsubura Shingu 新宮瞳
Shimokitazawa Wine Shop 下北沢ワインショップ
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