アルザスというフランスのワイン産地をご存知でしょうか?
フランス北東部、ドイツとの国境に位置するワイン産地です。総生産量の90%が白ワインが占めている産地ですが、実は素晴らしいデザートワインも生産されています。
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デザートワインとは一言でいうと甘いワインのことです。
正確な決まり事はなく、ものすっごく甘いものからさわやかな甘さのものまで様々です。
有名な種類に貴腐ワイン、パッシート、アイスワインなどがあります。
そのなかでもアルザスでは貴腐ワインのセレクション・ド・グラン・ノーブル(Sélection de Grains Nobles)が有名です。
そのほかヴァンダンジュ・タルディヴ(Vendanges Tardives)といって、遅摘みのぶどうを使用したものがあります。
デザートワインについてはこちらで詳しく説明しています。
アルザスは夏と冬の気温差が大きい大陸性気候です。
暑い夏にぶどうがしっかり熟し、涼しい秋のお陰で酸をしっかり保つことができます。
また、秋は長く乾燥しているため、ぶどうがゆっくり成熟し続けることができます。
これらのおかげで糖度が高く凝縮したぶどうを収穫することが可能となります。
さらに川が近くにあるため、朝方に霧が発生することがあります。
これは貴腐ぶどうにとって欠かせない条件です。
川があるだけでなく畑は山脈に位置するため、降水量が少なく乾燥している地域でもあります。
フェーン現象という乾燥した風が吹くことも多く、これらのおかげでぶどうは腐敗することなく成熟します。
デザートワイン、とくに貴腐ワインを造るうえで大切な気候条件が、ここアルザスにはそろっています。
フランスのデザートワインでよく名前が上がるのは、ソーテルヌです。
フランス南西部ボルドー地方にあるソーテルヌ地区で造られる貴腐ワインです。
三大貴腐ワインのひとつでもあります。
アルザスとソーテルヌ、同じフランスのデザートワインですが大きな違いがたくさんあります。
アルザスは冷涼な大陸性気候なのに対して、ソーテルヌは温暖な海洋性気候です。
アルザスで造られるデザートワインの主要品種はリースリングやゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリやミュスカがあげられますが、ソーテルヌではセミヨンやソーヴィニヨン・ブランがメインです。
そして、味わいはアルザスのデザートワインはトロピカルフルーツやはちみつ感が強いですが、ソーテルヌで造られるものはキャラメルやナッツのニュアンスを持つものが多くあります。
同じフランスといえども、造られるデザートワインにはそれぞれ大きな特徴があるのです。面白いですよね。
ソーテルヌについてはこちらからどうぞ
ドメーヌ キレンブール(Domaine Kirrenbourg)
1930年にマルタン・シャッツェル氏が地元のレストラン向けに自社元詰ワインをつくり始めたことから始まりました。2015年からは月の満ち欠けを栽培醸造に活かすヴィオディナミに切り替えました。シュロスベルグとブランドという2つのグラン・クリュに合計10haの畑を構えています。アルザスでこの広さのグラン・クリュの畑を所有している生産者はとてもめずらしいです。
シュロスベルグの畑で造られたピノ・グリを使用した貴腐ワインです。
抜群の糖度を誇ります。
桃やドライアプリコットにパイナップル、濃厚なはちみつの奥から紅茶のニュアンスも広がります。
ミュスカとは皆様ご存知のマスカットです。
収穫を遅らせて糖度を高めたマスカットから造られるこちらは、瑞々しく爽やかな甘さのマスカットが身体中を駆け巡ります。
あまり本数の多いデザートワインではないので頻繁には抜栓していないのですが、もし並んでいるとき出会ったらぜひ試して見てくださいね!
いかがでしたでしょうか。
デザートワインといっても様々な種類が存在します。国や品種よりももっと深く、地域ごとの飲み比べなんかもとっても楽しいですよ。
Tsubura Shingu 新宮瞳
Shimokitazawa Wine Shop 下北沢ワインショップ
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