赤のデザートワインをおすすめ!レチョートデッラヴァルポリチェッラ

レチョートデッラヴァルモリチェラ

イタリアで造られるデザートワインのひとつにパッシートというものが存在します。
パッシートとは収穫したブドウを数ヶ月陰干しして、風味や糖度を凝縮し造られる極甘口のワインのことを指します。
貴腐ワインやアイスワインは求めるブドウの生育に天候が強く関係してきますが、パッシートにはそれがないのが良いところで、南北に長いイタリアの国土とマッチしています。また、パッシートには生産地域の限定がないため、イタリア全土で造ることが可能です。

そして、パッシートではあるものの、地域が限定されている極甘口ワインのひとつにレチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラがあります。

 


レチョート デッラ ヴァルポリチェッラとは?

レチョート デッラ ヴァルポリチェッラは、北イタリア ヴェネト州のヴァルポリチェッラ地区で造られています。
ヴェネト州といえば水の都ヴェネツィアや、ロミオとジュリエットの舞台となったヴェローナがありますね。
そのヴェローナ北部の丘陵地にヴァルポリチェッラ地区は存在します。
この地区でコルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラというブドウを干して造られる赤のデザートワインがレチョート・デッラ・ヴァルポリチェッラです。
ちなみに、この干して凝縮させたブドウの糖分をすべて発酵させて造るワインはアマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラと呼ばれ、イタリアを代表する素晴らしい辛口の赤ワインのうちのひとつです。

レチョートとはこの地域の方言レチエ(recie)に由来すると言われ、これは「耳」を意味します。ブドウの房を人の顔に見立てたときに耳の位置にあたる、ブドウの肩の部分(房上部)の粒を使ったことからこの名前がついたとされています。
房の中で1番太陽があたり完熟するため、このワインを造るのに最も適した粒となるのです。

イタリアワインの歴史は何千年も前に遡ります。ここヴァルポリチェッラももちろん例外ではなく、2500年前には赤ワインを造っていました。古代ローマよりもはるか昔です。
ヴァルポリチェッラといえば先に話題にあげたアマローネを思い浮かべる方が多いです。しかしその歴史は100年にも満たず、一方レチョートは紀元前から造られています。
ただし、アマローネは年間1500万本造られますが、レチョートはわずか34万本。歴史の長さに比べて知らない方が多いのも納得です。

 


おすすめの レチョート デッラ ヴァルポリチェッラ

今回はそんな貴重なレチョート デッラ ヴァルポリチェッラを2種類ご紹介いたします。

 

ヴィヴィアーニ VivianiI

ヴァルポリチェッラ・クラッシコ地区で最も若く精力的な生産者の1人クラウディオ・ヴィヴィアーニ。
彼はヴァルポリチェッラ・クラッシコのマッツァーノ、標高350-450mの南南東向き斜面に約10haの畑を所有しています。
これはブドウの生育にとても素晴らしい場所といえます。
また、この地域は湿度が低く風通しも良いためブドウを乾燥させるのに最適です。
ヴィヴィアーニの目標は、この土地の可能性を最大限に表現することです。
そのためブドウの木ができるだけ自然で調和のとれた方法で成長し、高品質のブドウを生産できるような栽培方法を採用。
除草剤、殺虫剤、肥料などの化学合成物質を使用せずブドウ栽培を行っています。

ヴィヴィアーニ

🍷Viviani Recioto della Valpolicella DOC 2016
ヴィヴィアーニ レチョート デッラ ヴァルポリチェッラ 2016

樹齢20年から60年までの古樹から収穫されるブドウで造られます。
収穫したブドウを3-4ヶ月陰干しし目的の糖度まで乾燥させます。
コルヴィーナ75%、ロンディネッラ20%、モリナーラ5%でブレンドされます。

ワインは深みのある濃い紫色の外観です。香りのファーストインプレッションはブーケ。
バラやすみれのようなお花の香りが広がります。
ブラックチェリーやプラム、カシスなどの黒い果実の香りに、チョコレートやコーヒーにナッツのニュアンスもあり、優しくもありながら深みのある味わいは、とても官能的な魅力を持っています。

 

ラ ジュウヴァ La Giuva

サッカーの監督として有名なアルベルト・マレザーニが2005年に立ち上げた新しいワイナリーです。
ヴェローナで生まれ育った彼は、小さいときから日常にワインの存在がありました。
1999年にサッカーの試合でボルドーを訪れていたときにいくつかのワイナリーを巡り、牡蠣と赤ワインの組み合わせに出会い魅了されます。
そしてそこでワインに夢を見出し、いつしか自身で手掛けるまでになったのです。

ヴェネトはトレッツォラーノに畑を持つラ・ジュウヴァ。
ここは起伏が激しく多様性に富んだ地形を持っています。
ラ・ジュウヴァはこの地で、Esposizione Contraria(逆向き斜面)という少しめずらしい植樹方法に挑戦しています。
畑の位置に北と西向きの斜面を採用しているのです。
この新鮮なアプローチ方法は、樽での熟成や瓶内熟成のあとでもワインに並外れた新鮮さとアロマをもたらし、完璧にバランスのとれた素晴らしいエレガンスさとフィネスを持つワインとなります。

ラジウヴァ

🍷La Giuva Recioto della Valpolicella
ラ ジュウヴァ レチョート デッラ ヴァルポリチェッラ
コルヴィーナ50%、コルヴィノーネ20%、ロンディネッラ25%、オセレータ/クロアティーナ5%で構成されています。
乾燥させたブドウをフランス産のバリックに入れゆっくりと発酵させ、その後同じ樽で12ヶ月以上熟成させます。

深みのあるガーネットの外観、グラスに注いだ瞬間からあふれでるアロマ。
カシスやプルーンの果実に混ざりシナモンやナツメグ、クローヴのような甘さをもつスパイスにカカオのニュアンスも。ベルベットのようななめらかなタンニンが美しく高貴な1本です。
年間わずか4樽(1800本)しか生産のない貴重なデザートワイン。

 


レチョート デッラ ヴァルポリチェッラにあわせたいおつまみ

イタリアはエミリア・ロマーニャで、100年の歴史を持つファッぶり社がつくるアマレーナのシロップ漬けが抜群に合います。
アマレーナとはサワーチェリーです。
味わいもさることながら、脂肪、塩分、コレステロールがゼロなうえにビタミンCと鉄分を豊富に含むスーパーフードとして知られています。
甘酢っぱいシロップに浸かったアマローネを口に含みレチョートを一口。
口の中に天国が誕生します。下北沢ワインショップでの扱いはもちろん、併設のBAR フェアグラウンドでもご用意していますので、ぜひお試しください。

いかがでしたでしょうか?
まだまだ日本では知名度の低いレチョート デッラ ヴァルポリチェッラ。
濃厚な甘さは一度飲むとやみつきになること間違いなしです!

 

Tsubura Shingu  新宮瞳

Shimokitazawa Wine Shop 下北沢ワインショップ
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